~Lion Kiss~
押し潰されそうな胸の痛みが身体中に響く中、私は思った。

……來也が亡くしたというのは、家族の中の誰かなんじゃないだろうか。

そのせいで、來也は自分を責めているのかも知れない。

物置部屋のスペアの家電もそれに繋がっているのかもしれない。

私は……大切な人を亡くした経験がない。

だからその事で自分を責めたりしたこともなければ、それを自分の枷にした事もない。

自分を責めて追い立て、身をすり減らして身体を壊すなんて、どんな精神状態なんだろう。

私は來也を見上げた。

迫った眉の下の涼しげな眼。

精悍な頬に通った鼻筋。

男らしい綺麗な口元。
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