~Lion Kiss~
お兄さんは憮然とした顔で総二郎さんを一瞥した。

「どうせアイツの事だ。別れ話の縺れで女にでもブッ刺されたんだろ」

そう言ってセセラ笑った総二郎さんのお兄さんだったが、硬直する私達を見て、

「あれ?……マジかよ」

マジよ、マジ。

「こえー。怖すぎて誰にも言えねー」

お兄さんはそれだけ言ってニヤッと笑うと、再び手術室へと消えていった。

*******

10分後。

私は治人さんに深く頭を下げて別れると、6階だと気かされた來也の病室へ向かった。

そっと引き戸を開けると、來也はベットを起こして座っていた。
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