~Lion Kiss~
「兄貴は俺のせいで事件に巻き込まれたんだ。
会う約束をした時、兄貴は俺に『何か欲しいものないか』って聞いてきたから、俺は時計が欲しいって言ったんだ。
俺の好きな有名時計ブランドが、アメリカ限定で五十周年記念モデルを発売したんだ。
……兄貴はそれを俺への誕生日プレゼントにしようと考えて、襲われたんだ」

來也の声が震えた。

「店から出て10メートルほど離れた防犯カメラに、兄貴が二人組の男に後ろから襲われる映像が残ってたよ。兄貴は抵抗しなかったのに、やつらは兄貴を銃で撃ったんだ」

來也は続けた。

「結局、兄貴を襲ったやつらは直ぐに捕まったが、やつらはこう言った。『限定モデルの時計を奪う為に撃ったが、彼は時計を持っていなかった』って。俺たち家族は怒りに震えたよ。命を奪ったうえに嘘を付いたアイツらを許せなかったんだ」

私はどうしていいかわかなかった。
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