~Lion Kiss~
ただ、聞くことしか出来なくて、胸が張り裂けそうだった。

「夢みたいだったよ。信じられなかった。家族で直ぐにアメリカに飛んで、兄貴の遺品の整理、彼を連れ帰って日本での葬式、目まぐるしく一ヶ月が過ぎたよ」

來也はそこで言葉を切ると大きく息をした。

「脱け殻になっていて自分の誕生日なんて忘れてた時、荷物が届いたんだ」

やっと私は声を出した。

「……荷物?」

來也が頷く。

「アメリカから。……兄貴から」

……それって、まさか……。

「奪われたと思ってた時計だったよ」

來也が悲しそうに私を見つめた。
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