~Lion Kiss~
その時、真朝が顔を上げて俺の唇に触れるか触れないかのキスをした。

眼を閉じて、軽く唇を開いた綺麗な顔を近付けて。 

真朝が手を動かそうとしたから、俺は一掴みにしていた彼女の手首をゆっくり放した。

「……來也」

小さく真朝は名を呼んで、自由になった両腕を俺の首に絡ませた。

フワリと空気が動き、甘い香りが鼻腔をかすめる。

「來也、先にお風呂入りたい。じゃないと……集中できない」

俺としてはこのままヤりたいところだが……集中できないと言われたら……集中してもらう方がありがたい。

俺は少し笑うと、真朝にチュッと口付けて身を起こした。
  
「……待ってろ」

俺はバスルームへと向かった。

この後に待っているであろう、目眩く陶酔を想像しながら。
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