~Lion Kiss~
まるで電信柱のように突っ立ったままの私に不信感を抱いたのか、彼女はクッと私を見つめて口を開いた。

「私は緑川冴子と申します。
……あなたは、相澤さんと真剣にお付き合いをされているのですか?」

來也が繋いでいる手にキュッと力を込めた。

どうやら、何とか上手くやれという合図らしい。

ええい、5万円の為だ。

私は申し訳ないと言った表情を作ると、一瞬だけ彼女を見つめて視線を落とした。

「……はい。來也さんを深く愛してます。他の人じゃ代わりにならない。來也じゃないとダメなんです」

そう言って苦し気に眉を寄せると、私は愛しくてたまらないといったように來也を見上げた。

來也は僅かに瞳を見開いた。

……笑ったら殺すからな!
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