~Lion Kiss~
目と鼻の先なのに、代官山駅へ行く気になれず、タクシーに飛び乗ると東京タワー方面を目指した。

たまに行く、多国籍な人々が集まるダイニングバーに無性に行きたくなったのだ。

何故か様々な人種に紛れたかった。

タクシーを降りて、前方の東京タワーを掴むように手を伸ばすと、私は自嘲的に笑った。

「バカだ、私」

こんなことしても……過去は変えられないのに。

「……飲み直そ」

私は踵を返して東京タワーに背を向けると、コートのポケットに両手を突っ込んで歩き出した。



この三ヶ月後。



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「見て!!彼凄く良くない?!」

私の差し出したスマホの画面を見ながら、同期の浅田柚希は眼を真ん丸にして声をあげた。
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