~Lion Kiss~
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熱いお湯を浴びると、少し気持ちが落ち着いて、私はソファに座る来也に声をかけた。

「色々とありがと。
下着はちゃんと買ってお返しするね」

私がそう言うと來也は、

「別にいいよ。特定のヤツのじゃないし。……てか、お前、笑える!」

來也は、ブカブカの服を着た私を見て笑った。

ズボンは裾をロールにしていたけど、上はグイッとまくっても袖がすぐに落ちてきて、手が出てなかったのだ。

ブラブラしている袖を見て、

「チビ」

來也はそう言うと私の腕を取り、服を丁寧に折り曲げてくれた。

私はそんな來也の手を見つめていたけど、彼がどんな表情をしているのかが気になって顔をあげた。
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