僕はそれでも恋をする


「八基盛テーマパーク?」


「そう! 今週の土曜日! 行ってもい?」


謎は多いけど、とりあえず親に許可をもらえなければ。


帰宅した私は急いで母と交渉する。


「そうねえ。ちょっと心配だけど、6人で行くのよね?」


「うん! 絶対行きたいの! ダメ?」


両手を合わせて、切実なお願いをする。


この機を逃したら、もっと柳瀬君と距離ができてしまう気がする。


そんなの、絶対イヤ。


「ふふ。分かったわ、でも、何かあったら絶対電話すること。良い?」


母の言葉に、嬉しさと安堵の気持ちが溢れる。


「やったぁ! お母さんありがとう!!」


「でも、男女6人なんて。もしかして好きな人でも出来たの?」


ドキッ。


ニヤニヤと笑う母。


「べ、別に! 好きな人なんて…!」


「はいはい。楽しんできてね」


は、恥ずかしすぎる。


好きな人……か。


声に出されると、なんだか凄く恥ずかしい。


私、数年ぶりに恋してる。


「うーん、メイクどうしようかな……ナチュラルもいいけど、ゆるふわ系もいいなぁ」


あーどうしよう。


楽しみ。


こんなに楽しみなこと、今まであったかな。


柳瀬君と、遊園地か。


ふとして、携帯を取り出す。


あの時撮った写真。天使のような笑顔。


また、見せてくれるかな。


いや……絶対見るんだ。


柳瀬君がまた笑ってくれるように、頑張ろう。


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