僕はそれでも恋をする
「どこ行きたい?」
「私はどこでも。ナギは?」
「うーん、私もみんなが行きたいところに行きたいなぁ。あ、柳瀬く――」
柳瀬君に尋ねようとした私は、彼の視線に言葉を失った。
ぼーっとしている、というより羨ましそうな顔でチトセちゃんと高山君を見つめている。
え、どうして……。
「おーい、柳瀬。あんたどっか行きたいところないの?」
フミちゃんの声にハッとした柳瀬君が慌ててパンフレットを覗き込んだ。
「あ、ここ行きたいな」
「てレストランかよ。お前アトラクションより飯か」
「良いじゃん。お腹空いてちゃアトラクションも楽しめないんだし。ね、早川さん」
「へ?」
あれれ、どうしたんだろ私。
柳瀬君の笑顔が、やっと見れたのに。
何だか、悲しい。