切れた・・絆

•••脅し


式はあげるけど、入籍しないなんて、
両親や佳希に
どう言えばいいのか、わからなかった。

すると、親父から
式場がとれたと、連絡あって
お礼を言った。

佳希にも、連絡して
「式場が決まったから
ウェディングドレスを見に行こう。」
と、話した。

どうしたら、いいんだ。
披露宴までには、
未来ちゃんをなんとか
しないといけない。

入籍は、披露宴が終わってからに
しようと言えば、佳希は、俺に
任せてくれるはずだから
取り敢えずは、これで乗りきるしかない。

未来ちゃんが、アメリカにさえ
来なければ、こんな苦痛を
味わうことなかったのに·······



次の日の卒業式に
佳希は、鈴と袴で出席した。

感無量な卒業式だった。

佳希は、医学部の卒業生代表を
つとめた。

心は、その姿を
惚れ惚れとして、見ていた。

式典も終わり
二人で、ウェディングドレスの試着に
行こうとしたら

突然、未来が現れて
「お姉ちゃん、卒業おめでとう。」
「あ、ありがとう、どうしたの?」
「うん。
パパとママが、
お姉ちゃんの卒業式見に行くって、
言うからついてきたの。
ほら、私、大学に行かないから
大学の卒業式に興味もあって。」
と、いい。
さも、久しぶりみたいに
「心君、お久しぶり。」
と、言った。

佳希は、
「そうなの、未来も大学行ってから
外資系に入ったら、良かったのに。」
と、言う。

心も、
「未来ちゃん、久しぶり。
俺達、今から用事あるから
またね。」
と、言うと。
「ウェディングドレスを見に行くんでしょ?
私もみたい。
お姉ちゃん、いいでしょ?」

「心、いい?一緒して。」
と、佳希。
「えっ‥‥」
と、心。
「いいよね。
心君、邪魔しないから。」
と、未来。
「ああ、わかった、じゃ。」
と、心。

三人は心の車に乗りこんだ。
式場につくまで会話もなかった。

心は、未来が何か言うのでは
と、ハラハラし。
佳希は、いつも私に近づかない
未来に不安がよぎった。

未来だけは、素知らぬ顔をして
外の景色を見ていた。
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