マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
目を覚ますと、時計の針は7時を過ぎていた。
慌てて身支度を整えていると、部屋のチャイム
が鳴った。

「はい。」

洗顔後の前髪が少し濡れた状態でドアを開けた
ある程度予想はしていたが、奏ちゃんだった。

「すみませんでしたっ!」


ドアが開くと同時に、奏ちゃんの頭頂部のつむじが見え、謝罪の言葉が第一声だった。

「うわっ!や、やめてよ。朝っぱらから。」

「あの、いえ。私、頭に血が上り易いってい
うか、ほんと、本当に、」


モウシワケアリマセン…と最後は蚊の鳴くような声になってしまっていた。
どうやら恥ずかしいらしい。


「シモーヌさんから、昨日の残り物貰ったん
だ。食べようよ。」


奏ちゃんに部屋に入るよう促す。

「すみません。お邪魔します…。」

そう言うと、おずおずと部屋に入って来た。
< 103 / 288 >

この作品をシェア

pagetop