マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
行きの飛行機の中の会話を指して言った。
僕を常任の指揮者にしてもらえるよう、社長からアピってこいと言われた、というやつだ。


「改めて僕からも社長に言っておくから、ガ
ツンと。奏ちゃんにそんなプレッシャーかけ
ても、意味がないからって。」


奏ちゃんは呆けているようにもみえる。
嬉しさの余り?
いざとなると頼りになるじゃん、みたいな?


「今回みたいな事またあったら、言ってね。
遠慮なく。」

「あ、はい…。」

調子にのったついでに僕は話を続けた。

「…僕も何かあったら、…弱い自分が出てきた
ら奏ちゃんを頼るようにするよ。」

「えっ?」


「またこれも昨日二人に言われたんだけどさ
指揮者とマネージャーの間柄なのに、辞めた
いなんて言葉急にこぼされれば、むっときて
怒りたくもなるのは分かるって。」

「…はあ…。」


「一緒に仕事してて、頼りにされて無いのか
って気持ちにさせられたんじゃないのかって 
…そうだったんだね。」
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