マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「…あ。はは…。」

言ってる僕も恥ずかしくて、奏ちゃんの顔が見れない位なんだけど、どうやら向こうもそうらしい。


三十路のおっさんが、甘えます宣言なんてよく
出来たものだと、恥ずかしさを必死で圧し殺して朝食を食べた。



リハーサルの始まる時間が近づき、楽団員もパラパラと集まり始める。


正直、すべて吹っ切れたわけではない。
まだモヤモヤとした感情が自分の心を支配していて、落ち着かない。
不安でしかない。
…けれど。


「それでは始めましょうか。」(仏)


僕は、自分が持ち得る最上級の笑顔を浮かべた



『やるべき事をやるしかない』



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