マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
事務局に戻り、シモーヌさんに日本の食材が手に入る様な所は無いか、訊ねてみた。

「中華街なら大抵の物は手に入ると思うけど
何?料理がしたいの?」(英)

そう言われて、そうか、と思った。
出来合いの物じゃなくて、作るとなるとキッチンが必要だ。

「梁瀬さんが、仕事、上手くいかないみたい
それで食事、あまり食べなくて。」(英)

え?とシモーヌさんは眉をひそめる。

「で、何とか、無理にでも食べて、えーと食
べさせる、したくて。」(英)

「なら、私の家のキッチン使って。」
(英)

「ホント?ありがとう!」(英)

そう言って貰えるのを期待してました。実は。


シモーヌさんは中華街迄の道のりを教えてくれるのかと思いきや、わざわざついてきてくれると言う。

「え?大丈夫。教えて貰えれば、行ける。
で、シモーヌさんが仕事終わってから、キッ
チン、借ります。」(英)


それでもシモーヌさんは、いいのいいのと、私を連れ出してくれた。
一応上司には一言いってたみたいだけれど、良いのかなホントに。
公演は、明後日なんですが…。
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