マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
ちょっと寄りたい所があると、途中でレストランらしき建物へと案内された。

「Bonjour.」

席はカウンターとテーブル席が数席。
こじんまりとはしているが、歴史を感じさせ、
居心地の良さそうな雰囲気だった。


呼ばれて、奥から男性が出てきた。

「シモーヌ?どうした?」(仏)

シモーヌさんが、右手で挨拶する。

「パット。お願いがあって。」(仏)

「カナデ。彼はパトリック・ルロワ。料理人
だから、手伝わせましょ。いいでしょ?パッ
ト。」(英)

「何?突然。しかも英語だし。」(仏)

「ええ?そんな!悪いよ!」(英)


どうやらシモーヌさんの彼氏らしいパトリックさんは、えらくガタイの良い人だった。


「彼女のボスが、仕事にかまけて食事をなお
ざりにしてて、彼女困ってるの。近々公演も
控えてるし。」(英)

ボス?まあ、ボスなのかな…。

「ごめんなさい。突然。カナデ・オオイシで
す。日本から来ました。」(英)
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