マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「じゃあ、待ってて。店長に言ってくる。」
(英)

「ホントにごめんなさい。ありがとう。」
(英)


何だか他の人も巻き込んで、えらい事になってきたなという感じだ。
それもこれも、梁瀬さんが…、とふつぶつ考えていると、ふと入り口の裏の壁に隠れるようにして、アップライトのピアノが置いてあるのに
気付いた。


へえ…。
夕方のディナーの時間帯なんかになると、演奏したりするのかもしれない。
食事をしながら、音楽を楽しむ。
フランスっぽい。


「何か弾いてくれる?」(英)


私があまりにもずっとピアノを眺めていたせいか、シモーヌさんがそう話し掛けてきた。

「え…。」

「弾けるんでしょ?ピアノ。」(英)

私の指先を見ながらそう言う。

「分かった?」(英)

「そりゃあ。この年頃にしては、爪を伸ばし
てないし、手自体も何となく丸いし。」(英)
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