マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
色々と指示を出すが、空回りして、ホントは何がやりたかったのか、良く分からなくなってしまった事。


すると先に出した指示と、矛盾する指示を出してしまった事。


そしてそれが、自分の中で決定的だった事。



私は、何だか話を聞いているうちに、梁瀬さんが必死になっているのは、音楽の事ではなく、自分の沽券に関わる事なんじゃないかと思えてきた。


失った信頼を取り戻す為に、自分の本来の力量が分かって貰える様な知識を引っ張ってくる。
だがそれが実を伴ってないから、空回りして、何がやりたかったのか分からなくなった。


そんな風に思えてきた。


同業の人や、コンマスさんなんかに言われるならまだしも、マネージャーの私が言うのもどうかと思いながらも、口を開いた。


「聞いてたら、梁瀬さん失敗したのを取り返
す事に躍起になってるし、指揮者としての力
量を誇示して見栄を張ることにだけ力を尽く
してませんか?」
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