マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「現にもう、数字に現れているんだ。観客動
員数は、毎年減少している。」(仏)

「…そこまで。」(仏)

「何が原因なのか。色々なものが積み重なっ
てこうなったのかもしれない。けれど、何も
せずに、何も変わらずにいては、本当のイミ
で何も変わらない。」(仏)

「はい。」(仏)


え。待てよ。
観客数が減りつつある、オーケストラの常任をまかされたのか、僕…。

うーん。
これはえらいことになってきたぞ。


「ボナリーが評価していた様に、君が指揮を
振る演奏を聴いていると、はっとさせられる
時があるんだ。美術の石膏像のデッサンを描
く時、何処から見るかで光の当たり方は違う
から、同じ像を描いても違いが現れる様に。
」(仏)

「……。」


「君にはこのオーケストラの新しい一面を引
き出して貰えたらと思っている。」(仏)

「……っは、はへ!」(Oui)(仏)

噛んだ。
< 180 / 288 >

この作品をシェア

pagetop