マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「住むところは何処にするか決めたのか?
劇場の近くか?それともパリまで広げるのか
?」

大石社長がワインを取り出してきた。
…昼間だぞ。

「ちょっと社長!仕事中です!」

奏ちゃんが諌めるが、まあまあと言って三人分のワインを注いでしまった。


「……フランス、住まないとダメですかね。」

「は?どういうイミだ?ヨーロッパでも良い
かって事か?他に住みたい国があるのか?」

「……いえ。ここから仕事の度に通う事、出来
ませんかね?」


「「はあ?」」

叔父と姪のユニゾンが奏でられた。
ウィーンフィルニューイヤーコンサート、毎年恒例のアンコール、ラデッキー行進曲トリオの
ユニゾンの部分以上のクオリティだ。


「どういう事ですか?寝言は寝てから言って
くださいよ。」

……ひでぇ。

「そうだぞ。眠たい事言ってんじゃねーぞ、
このお坊ちゃんが!」

……もっとひどい。
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