マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「いえ。あの、公演なんて、月に一公演ある
かないか。それが2、3日でしょう?公演が
近くなれば、渡仏すれば大丈夫、なんじゃ、
ないか…なあ、…なんて。……思ったん、です、
けど……。」

次第にしどろもどろな口調へとなってしまっていた。
二人の顔が何言ってんのコイツ、と言う表情だったからだ。


「は?毎月毎月、フランスと日本を往復する
んですか?どんだけマイル貯めたいんですか
?!」

「渡航費用は誰が出すんだ?!ウチは出さな
いぞ!ビター文も!」

「自分でだしますよ!ってあなた達金の亡者
ですか?!」

何なんだこの不毛なやり取り…。
思わず頭を抱えたくなった。


「公演の度に行ったり来たりしてたら、腰を
据えて頑張ろう、という気が感じられません
よ。向こうに失礼です。」

「よっ!奏!もっと言ってやれ!」

「社長。自ら外野の位置に立たないでくださ
いよ…。」
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