マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「ユーヘイ、来てたんだね。演奏会はどうだ
った?」(仏)

しばらくぶりに会ったパトリックに、仙台土産の笹かまとNY土産のワインを渡し、それを使った夕食となった。

「美味しいね、このササカマ?だっけ。色々
アレンジしてみたけど、そのままでも充分美
味しいよ。」(仏)

パトリックはアレンジとして、カプレーゼみたいにクリームチーズとトマト、バジルと一緒にしたり、クレイジーソルトをまぶして小麦粉、パン粉でピカタの様にしたりと調理してくれた

「これは何で出来ているの?」(仏)

「魚だよ。すりつぶして焼いてあるんだ。」
(仏)

「“スリミ”ならよく食べるよ。あれと似てる?
」(仏)

スリミというのは、カニかまの事だ。
パリのカフェでパリジェンヌが、カニかまを食べている姿を何度か見たが、ある意味凄くシュールだった……。


「カナデは?一緒に帰って来なかったんだ?
」(仏)

「そうだ。ちょっと聞いてよパット!」
(仏)

シモーヌは先程までの会話をかいつまんでパトリックに説明した。
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