マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「ここにブレスの記号があって、その後、デ
クレシェンドしていくでしょ。」

奏ちゃんがうなずく。


「ヒロインは病弱だっていう設定だから、咳
き込んだ後、虫の息というかだんだん弱って
いくのを表している、僕はそう考えてる。」


面白いです。奏ちゃんは目をキラキラさせて言った。
あー。いいなこういうの。
こういう話が出来る女の子いなかったなぁ。


「やっぱいつかはやってみたいと思ってるん
だ。オペラ。」


「いつかは、って決まってないのにスコアを
読み込んでるんですか?」


「気だけは早いよね。」


「それでもいつかは報われます。きっと。」


スコアをのぞきこむ横顔は余りにも可愛いくて
ずっと眺めていたかった。
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