マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
今回の公演は二日に渡る。

プログラムはチャイコフスキー作曲
交響曲第3番ニ長調作品29『ポーランド』と
交響曲第4番ヘ短調作品36


今回呼んで頂いたのだって、前回の公演が少なくとも、悪くなかったからだろう。


そういう意味では毎回、毎公演がオーディションみたいに思える。


何か嫌だけど、こういうのってオーケストラの
公演を成功させる事が、自分を売り込む事になってくる。


公演を成功させ高い評価を得て、なおかつ観客数を増やす事に繋げたいオーケストラ側と、公演を成功させ高い評価を得て、このオーケストラだけでなく、他のオーケストラからもお呼びが掛かるようにしたい指揮者側と。


申し訳ないが、それが現実だ。
同じ方向は見ていない。
そう言われても仕方ない。


だから早く何処かのオーケストラが、僕を常任指揮者として拾ってくれないと。
こんなのは姓に合わない。


「あ。萩の月。母が好きなんです。帰りに買
ってっていいですか?」


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