マエストロとマネージャーと恋と嫉妬と
「えらいことになりました。」


覚悟ができたのか、笑っている。
その笑顔が辛い。
なじってくれた方が楽になれる。


僕の心情を察してくれたのか、


「したくはないが、こんな体験なかなか出来
ません。
リハーサルは3日間だけでしたが、以前から
の付き合いもあります。
梁瀬さんとの信頼は問題ありませんし。」

…うわ…。


「梁瀬さんが今回やろうとしたことを、私が
代わりに出来る様、何とか頑張りますので」


…誰だよ 『同じ方向は見ていない』だなんて。


僕が見ようとしてなかっただけじゃないか。
恥ずかしい。最悪だ。


「…宜しくお願いします。」


そう言うのが精一杯だった。
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