それでも君が必要だ

まばたきをして首を傾げると、副社長さんはまた苦笑いした。

「わかりにくいよね?」

副社長さんは楽しそうにくるっと後ろ向きになって歩きながら、人差し指をピッと立てた。

「簡単に言うと、普段は独立して作業をしているロボットがある目標に関しては複数で作業をした方が効率がいい場合に、一緒に協力して作業をするためのプログラムを組んでるんだ。その時、重さとか視覚的情報を加えてもっと作業がしやすくなるような新しい機能を開発してるんだよ?」

「……」

正直言って何を言っているのか、さっぱりわからない。でも、わかったっぽいこと、言った方がいい?

「えっと……一人でやるよりみんなでやった方がいいってことですか?」

「うーん。ま、そうね。そんなところかな?」

あれ?微妙な反応。

違いました?
……ごめんなさい。
私がバカだからいけないんです。

申し訳なくてうつむいたけれど、そんなことは気にする様子もなく、後ろ向きに歩いていた副社長さんは、はしゃいだように私の横にひらりと戻ってきた。

「じゃあ、次は美和さんの番」

「え?」

「自己紹介」

あ、そうだった。
自己紹介してたんだ。

でも、自己紹介、といっても……。
私なんて特に話すこともなくて。

「あ、あの、栗原美和、です。えっと二十三歳です。スイ電機で経理をしております」

「へえ?経理をやってるんだ?」

「はい」

そのまま副社長さんが黙ってしまったから不安になって見上げると、副社長さんは拳を口元に当て、さっきの表情とは打って変わって考え込んでいる様子。

私が経理をしていることって、そんなに問題ありました?

「君とお父さんとの関係ってさ……」

「えっ?」

お父さん?経理じゃなくて、父のこと?
急に何?
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