それでも君が必要だ

それにしても、こんなロボットを間近で見るのは初めて。
すごいなあ。どんな風に動くのかな?

物珍しさに機械をじっと見ていたら、いきなり後ろから肩を掴まれた。

驚いて息が止まる。

でも、智史さんは気にする様子もなく、そのまま肩を押して近くにあった椅子に私を座らせた。

あ、座って欲しかったのね?
……びっくりした。

ドキドキ鼓動が治まらない私にフッと微笑むと、智史さんは静かにパソコンの画面に向かって座り、眼鏡をスッと上げた。

そしてすごい速さでカタカタと何かを打ち込み始めた。
画面の光が映る眼鏡の奥の瞳はじっと一点を見ているのに、長い指は流れるように打ち込み続ける。

「動くと、こんな感じ」

くるっと振り返った智史さんがポンッとキーボードを叩くと、ウィーンと静かな音を立てて一台の腕のような機械が動き始めたから、驚いて息をのんだ。

機械は思いのほか素早くスルスルと動き、テーブルに置いてあった湯呑みをハシッと掴んで持ち上げると、グイーンと半回転してコトリと静かに置いた。
機械は置いたことを確かめるように一瞬止まり、また元の位置へスーッと戻っていく。

関節が自在に曲がって、意思を持っているみたい……。それに割れ物も壊さないで運べるなんて。

自由に勝手に動いてるようにも見えてしまう。

「すごい……」

「ホント?じゃあ、次!」

黒い瞳がキラキラと輝いている。

……本当に楽しそう。

またカタカタと何かを打ち込み智史さんがポンッとキーボードを叩くと、今度は二台の機械が同時に動き始めたから目を見張った。
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