それでも君が必要だ

長い腕みたいなロボットが二台も至近距離で動いているのに、ぶつからないのかな?
ヒヤヒヤしてじっと見つめる。

そんな私の心配をよそに、二台は一緒になってせかせかとテーブルの隅に小さなブロックを積み始めた。

機械が自由気ままに動くはず、ないよね。
これはきっと計算された指示通りの動き、なんですよね?

「ぶつかりそうで怖い?」

うんうんとうなずくと、智史さんはにっこり笑った。

「大丈夫。この二台はセンサでそれぞれの位置を把握して動いてるんだ。だから絶対にぶつからないよ」

「へえ……」

なんだかすごくて言葉も出ない。

気がつくと二台のロボットは小さなブロックの塔を積み上げて、スーッとまた元の位置へ戻っていった。

「こうやって幾つもの垂直多関節ロボットが一緒に協力して作業をするのが、俺の開発してる協調制御システムなんだ」

はあー、なるほど。

だんだんわかってきた。
最初に聞いた時は智史さんが何を言っているのかさっぱりわからなかったけれど、実際に見せてもらったら少しずつ理解できてきた。

それにしても智史さん、とても楽しそう。

智史さんの好きなことって、夢中になっているものってこの機械の研究だったんですね?

だって、ものすごく素敵な笑顔で瞳が輝いているもの。
ワクワクした子どもみたい。

智史さんの大好きなものを見せてもらえるなんて、嬉しい。

「ロボット、見せてもらえて、よかった……」

「ホント?それはよかった!」

智史さんはニッと嬉しそうに笑い、そして少し意地悪な顔をして私を覗き込んだ。

「それにしても美和さん、いつまでそんな棒読みな喋り方してるの?」

「……」

何も言えず、困って口をつぐむ。
またぎこちない喋り方をからかわれてしまった。
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