美人はツラいよ

「もちろん、千景ちゃんの言うとおり、千景ちゃんは何にも変わってないの。お肌も綺麗だし、スタイルだって衰えてない。」
「とても、もうすぐ三十路には見えないし。頑張ってる方よね。」
「…ありがとう。」

何だか妙な褒められ方をして、素直に喜べなかったが、一応お礼を言う。
それでも、二人は褒め足りなかったのか、私の顔をまじまじと見つめて語りだした。

「今だって、客観的に見れば、ミキティよりも千景ちゃんの方がキレイよ。」
「男って本当に馬鹿よね。まあ、生物学的には若い雌の方が子孫を沢山残せるから、自然の摂理なのかもしれないけど。」
「要するに、キレイであることよりも、若い方が重要なのよね。彼らにとっては。」
「しかも、アラサーで売れ残ってる美人なんて、どこか難があるんじゃないかって思われて、みんな敬遠するしね。美人は、ただでさえ近寄りがたいのに。」

褒められていたのが一転、痛いところを突かれて黙り込んだ。
そんな私に対して、二人はますます言いたい放題だ。
涼子はすっかり勢いづいているし、由紀恵は元々毒舌だから、これはもう耐えるしかない。
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