美人はツラいよ

「話してたら、なんだか可哀想に思えてきたわ。美人ってホント哀れよね。今まで、チヤホヤされてきた分だけ、その落差が大きいのよ。」
「結婚によって、チヤホヤされなくなるなら、まだ本人も納得いくんだろうけど。」
「由紀恵ちゃんは、そんな感じよね。私なんて、元々無かったから、結婚しても全く変わらなかったけど。」
「何言ってんのよ。私もチヤホヤされたことなんて無いわよ。この性格だし。」
「性格だけ言えば、千景ちゃんは素直で分かりやすくて、いいのに。」
「少し、天然入ってるから、からかうと面白いしね。」
「美人である自覚もないから、鼻にもかけないし。」
「そうそう。」
「…ちょっと待った、途中から全然褒められてる気がしないんですけど。」

だんだん話の雲行きが怪しくなってきたため、話に割って入る。
しかし、時すでに遅し。二人は、顔を見合わせて息ピッタリだ。

「こんなに楽しい子なのに、単に歳を取っただけで、掌返したように後輩に乗り換えられるなんて…」

続く言葉が何なのか、容易に想像できてしまった。

「「かわいそうに。」」

友人のキレイにハモった声は、容赦なく私を打ちのめす。

「こら、そこ、勝手に憐れむなー!」

私の懇願は、食堂の片隅に切なくこだましたのだった。
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