美人はツラいよ
「萱島さんを目で追ううちに、僕はあなたにもっと惹かれるようになりました。美人なのに無自覚に間抜けな行動をするあなたも、仕事に一生懸命になりすぎて周りが見えなくなっているあなたも、正直に思っていることが全て顔に出てしまうあなたも、全部、僕のものにしたくて仕方なくなりました。」
「…全く褒められてる気はしないけど、ありがとう。」
「不思議と自信があるんですよね。萱島さんが、隣に居てくれたら、きっと毎日楽しくて幸せなんだろうなって。」
さすがに恥ずかしいのか、耳まで真っ赤になりながらでも、彼はゆっくりと言葉を紡ぎ続ける。
普段の彼ならば、きっともっとさらりとスマートに愛を囁くのかもしれない。
でも、目の前の彼は、真っ赤に頬を染めて、私と一度も目を合わせることなく、淡々と話してゆく。
「あ、萱島さんも僕と居て幸せかどうかは自信有りませんけど。」
「…それって、口説き文句としてはどうなのよ。」
「でもまあ、僕が幸せならよくありません?きっと、僕、萱島さんを悪いようにはしませんよ。」
「…何よ、それ。」
照れているのか、彼の少し冗談めかした言い方に、思ったまま素っ気なく言葉を返す。
本当は、私も照れている。
こんなにも、熱心に好きだと告げられたのはいつ以来だろう。
視線を合わさないままでも、彼の気持ちがちゃんと伝わってくるなんて、ズルい。
いつもの爽やかイケメンモードで口説かれるよりも、今の不器用な告白の方が、ずっと私の心に響く。
しかも、私の容姿以外に惹かれたと言ったのは、彼が初めてだった。
過去に付き合った男たちも、容姿に惹かれて寄ってきて、私の性格を知って離れていく者ばかりだった。
随分と昔から悲観していたのだ。
私の中身を愛してくれる人など、現れないのだと。
彼は全て話したいことを話し終えたのか、一つ大きく息を吐いた。
それは、決してため息ではない。
彼の、緊張が解ける瞬間の。
どこか、清々しさのある呼吸だった。
ようやく。
ゆっくりと、私に視線を向けた彼が、息を飲むのが分かる。
彼は、私の頬にそっと触れて、尋ねた。
「萱島さん、どうして泣いてるんですか?」
私の頬には自分でも気が付かぬうちに、一筋の涙が伝っていた。
「…全く褒められてる気はしないけど、ありがとう。」
「不思議と自信があるんですよね。萱島さんが、隣に居てくれたら、きっと毎日楽しくて幸せなんだろうなって。」
さすがに恥ずかしいのか、耳まで真っ赤になりながらでも、彼はゆっくりと言葉を紡ぎ続ける。
普段の彼ならば、きっともっとさらりとスマートに愛を囁くのかもしれない。
でも、目の前の彼は、真っ赤に頬を染めて、私と一度も目を合わせることなく、淡々と話してゆく。
「あ、萱島さんも僕と居て幸せかどうかは自信有りませんけど。」
「…それって、口説き文句としてはどうなのよ。」
「でもまあ、僕が幸せならよくありません?きっと、僕、萱島さんを悪いようにはしませんよ。」
「…何よ、それ。」
照れているのか、彼の少し冗談めかした言い方に、思ったまま素っ気なく言葉を返す。
本当は、私も照れている。
こんなにも、熱心に好きだと告げられたのはいつ以来だろう。
視線を合わさないままでも、彼の気持ちがちゃんと伝わってくるなんて、ズルい。
いつもの爽やかイケメンモードで口説かれるよりも、今の不器用な告白の方が、ずっと私の心に響く。
しかも、私の容姿以外に惹かれたと言ったのは、彼が初めてだった。
過去に付き合った男たちも、容姿に惹かれて寄ってきて、私の性格を知って離れていく者ばかりだった。
随分と昔から悲観していたのだ。
私の中身を愛してくれる人など、現れないのだと。
彼は全て話したいことを話し終えたのか、一つ大きく息を吐いた。
それは、決してため息ではない。
彼の、緊張が解ける瞬間の。
どこか、清々しさのある呼吸だった。
ようやく。
ゆっくりと、私に視線を向けた彼が、息を飲むのが分かる。
彼は、私の頬にそっと触れて、尋ねた。
「萱島さん、どうして泣いてるんですか?」
私の頬には自分でも気が付かぬうちに、一筋の涙が伝っていた。