美人はツラいよ
ああ、絶対に引かれた。
しかも、騙されたとか思ってるはず。
おそらく、このままサヨナラだろう。
下手をすれば、明日には会社で嘘つき最低女呼ばわりされているかも知れない。
覚悟を決めて俯いて黙りこむ私。
だけど、投げかけられたのは、意外にも彼の笑い声だった。
「ぷっ、ほんとうにあなたって人は…おもしろいですね。」
恐る恐る顔を上げてみれば、満面の笑みの松田君が私を見下ろしていた。
「まつ、だ、くん?」
「いいでしょう、上等です。」
「は?」
「赤松さんの発案通りに作りましょう、既成事実を。」
「えっ?」
「僕としては、それで萱島さんを確実に僕のものに出来るなら、悪くない話です。」
「やっ、ちょっと、待って!」
松田君は再び私をベッドに組み敷くと、嬉しそうに笑いながら囁く。
私は、ただ唖然として彼の目を見つめていた。
いや、確実にフラれると思ったのに、何なんだ、この展開!
「でも、萱島さんは本気で覚悟して下さいね。僕、我慢できる自信ありませんから。」
「へっ?」
「ほぼ確実に萱島さんの中でイッてしまうという話です。」
爽やかに、やたらと生々しい宣言をされた後、やや強引に足を開かされたと思えば、すぐに彼の熱い塊が押し当てられる。
どうやら、そのまま何も着けずに侵入してくるつもりらしい。
「千景さん。」
初めて名前で呼ばれて、額に優しいキスを落とされる。
次の瞬間、ぐっと押し広げられるような感覚とともに、彼が私の中に…
入ってくるのを、私は全力で阻止してた。
「だめーーーーー!!」