美人はツラいよ
部屋に着くなり、コンビニの前の続きを彼に催促すれば、彼はゆっくりと唇を重ねてきた。
私の反応を確かめるように優しく始まったそれは、すぐに激しくなって、私の呼吸を容赦なく乱す。

ベッドの上に優しく私を横たえた田上さんは、ゆっくりと丁寧に私の体じゅうに唇を落としてから耳元で「愛してる」と囁いた。
こんなに丁寧に扱われたのも、そんな大げさな言葉をもらったのも、人生で初めてだ。
思わず泣き出した私を嬉しそうに見つめながら、彼は想像していたよりずっと情熱的に私を抱いた。
動きは激しいけれど、決して自分本位ではないそれは、私をすぐに絶頂へと導く。
単刀直入に申し上げると、男の人にイカされたのも初めてだ。

この際、全て告白してしまうと。
恋人とお風呂に入るのも
バスルームで愛し合うのも
男の人の前で化粧を落とすのも
自分からおねだりしたのも
気持ちよすぎて途中で気を失ったのも

全部全部、初めてだった。

彼に抱かれながら、
消えそうになる意識の中で、
ぼんやりと考えていた。

おそらく、人から愛されるのも、
誰かをちゃんと好きになるのも、
これが初めてかもしれないと。
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