美人はツラいよ
「大好き。」
「俺も。」
ぎゅっと私を抱きしめた彼は抱き上げて、バスルームへと運ぶ。
二人並んで顔を洗う。どこか間が抜けている。タオルで顔を拭きながら彼が言った。
「でも、外ではお化粧してもらわないとね。」
「あ、やっぱり、すっぴんイケてないと思ってるのね。」
「違うよ、その顔で並んで歩いてたら、おじさん捕まっちゃう。」
あー、たしかに。
ただでさえ10歳の歳の差が、すっぴんだと倍近くに見えるかもしれない。
思わず納得して、私は洗面台の前でポーチを開いた。
「一回帰ってから、デートしよう。」
「あはは。今更だけど順番めちゃくちゃ。」
「いきなりプロポーズしてきた美姫ちゃんの所為だから。俺、慌てて出てきて、部屋着だし。」
そう言われて、昨日の自分の行動を振り返る。
確かに無茶苦茶だったけど、今は最高にハッピーだ。
私はいつもとは違って、ウキウキとした気分でメイクに取りかかった。