美人はツラいよ

途中コンビニに寄るという千景さんと分かれて、今度は二人で並んで歩く。

「亮二(りょうじ)さん。」

いまだに呼び慣れない彼の名前を呼べば、優しい微笑みが降ってきた。

「松田夫妻に負けないくらい、幸せになりましょうね。」
「ああ、絶対に負けないようにしよう。」
「千景さんは、スピード結婚に否定的みたいですから、見返してみせましょう!」
「関係ないだろ、時間なんて。」
「ですかね。」
「要は、お互いのことをどれだけ理解し合えてるか、だろう?付き合ってた期間が短くても、俺たちは大丈夫だ。」

彼が大丈夫だと言えば、本当にそう思えてくるから、不思議だ。
そして、彼の言うとおり、私という人間を今一番正しく理解しているのは、両親でもなく、友達でもなく、彼だと思う。
今まで付き合ってきた元カレたちよりも、付き合ったこともない会社の上司の方が私をよく知っているなんて、俄には信じがたいだろう。
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