エリート同期は意地悪がお好き

朱莉side

…我ながら、なんて大胆な愛の言葉。

そう思うと、恥ずかしくなって、司から顔をそむけた。

でも、司がそれを許さないと言った顔で、私の頬に両手を添えると、自分の方にそっと向けた。

やっぱり恥ずかしい私は、上目遣いに司を見る。


「…ありがとう、朱莉。俺も、朱莉の事、大好きだよ」

そう言うと、優しく私の唇にキスを落とした。

「…お腹、空いてるでしょ?…ぁ。せっかく温かかったのに、冷めちゃったね。温め直すから、着替えてきて」

そう言って私は、司から離れると、テーブルに並べられた料理を温め直しに行った。

遅い晩御飯、私は、司が美味しそうに食べている姿を、微笑ましく見ながら、今日の出来事を聞いたり、たわいもない話をした。

これから、どんどん忙しくなる司。…私は、そんな司を、どうやって支えたらいいのかな?なんて、思いを巡らせていた。

寝る準備を整え、2人でベッドに潜り込む。

そして、今日はなんだか、不安そうな顔をしてる司を、自分から抱きしめて眠りについた。


…司は、黒沢社長の事が嫌いなのかな?

いずれは、司もTOUJOUの社長になる身。昔からの知り合いだし、大事な取引先なんだから、仲良くやってほしいな。なんて思ってみるけど、2人の関係が分からない私が、やたらと口をはさむのは、よくないかと思い、心の中だけで考える事にした。


…私は、黒沢社長と、今後会うとするなら、司と一緒にいる時くらいしかないだろうと思いながら、深い眠りへと落ちていった。
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