遥か~新選組桜華伝~
けれど。
「…っ」
男の人の力には敵うはずもなくて…。
びくともしないどころが、体がズルズルと引きずられていく。
どうしよう…!
このままじゃ私…!
「その子を離せ!」
叫び声が聞こえたかと思うと、銀の刃が目の前を通過していく。
「沖田さん…っ!」
沖田さんは刀を遥空の首に突き付け
「離さなければ、今ここでおまえを斬る」
残酷な表情で言い放った。
氷りついた瞳は、私を助けるため、隊士の刀を受け止めていたときと同じ…
冷酷非情な侍の姿がそこにはあった。
「新選組の沖田か…。
なぜ貴様が俺の邪魔をする」
遥空が首元の刃先を見つめ、忌々しそうに言った。
「遥さんが怖がってるからですよ」
迷いなく答える沖田さんに、遥空は眉間のしわをますます深めた。
「怖がるも何も、この娘は俺の血縁。
仲間を連れ帰るのにどこに問題がある?」