遥か~新選組桜華伝~


「仲間…ですか?
こんなに嫌がってるのに、僕はそうは思いませんけどね」


そう言って、刀の先をますます遥空に近づける。


わずかに切れた遥空の首元から赤い血がツゥッと流れた。


「…っく」


遥空は手で血に触れると、悔しそうな声を漏らす。


そして私を掴んでいた手を離した。


「……っ」


体がトサッと地面に崩れる。


「遥さんっ!」


沖田さんが刀を下げ、私の元にしゃがみこむ。


「お、きた…さ…」


体の震えが止まらない。


そんな私を見て、沖田さんは震える手にそっと手を重ねた。


「もう、大丈夫ですから…」


そう言って優しく微笑んでくれる。


その手が大きくて温かくて、すごく安心したんだ…。


「…はははっ」


不意に聞こえた笑い声。


顔を上げると、遥空が怪しく口角を上げている。


「仲間なんて…新選組の貴様がよく言えたものだな」


< 40 / 276 >

この作品をシェア

pagetop