遥か~新選組桜華伝~


「……っ」


二人が険しい表情で黙り込むなか、遥空は私に目を向けた。


「おそらく、未来の人間であるこいつの方が知ってる。
新選組の過去も…これからもな」


「…勝手な事ばかり言いやがって」


土方歳三が呟く。


「けどな」


言いかけて、土方歳三は刀の鞘に手を掛ける。


「こいつが新選組の機密を知っているとなると、連れて行かせるわけにはいかねえ!」


そのまま勢いよく刀を引き抜いた。


「ほう…やる気か?」


遥空がニヤリと笑い、刀を構える。


「土方さん、僕も戦います」


沖田さんが土方歳三の横に並んだ。


「…面白い」


遥空が呟いたのを最後に、三人は無言で睨み合う。


殺気だった視線が交差する。


誰かが仕掛けた瞬間、すさまじい斬り合いになる。


そう──感じずにはいられない。


緊迫した空気。


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