遥か~新選組桜華伝~
「この…っ待て!」
沖田さんが光の方向へ刀を突き刺した。
けれども
「なっ…!」
遥空の姿は跡形もなく消えていて…
「逃げられたか…」
沖田さんは険しい表情のまま、刀を下げた。
部屋はすっかり荒れ果てている。
襖は障子が破れ、畳には物が散乱していて。
「はぁっ…あの野郎…!」
腕を押さえたまま、苦しそうに土方歳三が呟いた。
真っ赤な血に染まる着物と手。
酷い怪我…っ
「…土方さん!大丈夫ですか!?」
沖田さんが慌ててかけ寄っていく。
「かすり傷だ。問題ない…」
「でもすごい出血ですよ。早く手当てしたほうが…」
「あぁ、後でする」
心配する沖田さんの手を制し、土方歳三は立ち上がる。
「って、土方さん!どこ行く気ですか!」
沖田さんが叫んだ。
「…近藤さんの所に決まってんだろ。
あの竜巻に発光だ。今頃隊内は大騒ぎになってるはずだ」