遥か~新選組桜華伝~
「下がっていてください…!」
沖田さんが私の前に立ち、刀を構える。
ギリッと遥空を睨むと
「一歩でも遥さんに近づいてみろ。僕はおまえを斬る」
冷たく言い放った。
沖田さん…っ!
胸に手をあて、彼の背中を見つめる。
「フッ」
遥空が怪しげに口角を上げた。
「何がおかしい」
沖田さんの表情がますます険しくなる。
殺気に満ち溢れた視線で遥空を睨みつけている。
「さすがは新選組一の人斬り。
随分凶悪な目をするものだ」
遥空はニヤリと笑うと私の方を向いた。
「おまえもここに居て知るがいい。新選組がどれだけ非情な集団かを。
そして気づくだろう……
正しいのはこの俺だと」
そう言って、頭上に手をかざす。
カッ───!
淡い桜色の光が遥空を包み込む。
「次に会うのは、おまえが桜華石の力を使いこなしたときだ。
そのときは何が何でもおまえを奪う。覚悟しておけ」
言い終わると同時に光が小さくなっていく。