忘 恋

翔君は、
日に日に、みんなと慣れて行き
毎日、楽しそうにしていた。

近頃は、子供らしくなり
大きな声をだしたり
泣いたり
怒ったり
色んな、表情を見せて
くれるようになってきて
嬉かった。

私は、翔君の保護者の心咲さんとも
話すようになり
心咲さんが、
「翔が、明るくなってきて
雫先生のお陰です。
ありがとうございます。」
と、言ってくれたから

「そんなこと、ないですよ。
でも、翔君の
色んな表情がみれて、
私も嬉しいです。」

「翔は、雫先生が大好きなのよ。
ねぇ、翔?」

翔君は、モジモジして。

「‥‥‥‥‥‥‥好き。」
「あらあら、本格的、告白?
弟に、言わないと。」

「翔君、ありがとう。
先生も翔君が、好きよ。
心咲さん、弟さんって?」

「ああ、翔のパパさん。
仕事、バカで、翔にも
あまり構わないのよ。

怒るけど、聞く耳持たなくてね。
まあ、あの子が、ああなったのも
私達の父親が、悪いんだけどね。」

「えっ、翔君のお父さんは、
育児放棄ですか?」

「早い話しは、そうね。
まあ、何千って、社員抱えてるから
その社員と社員の家族を
守るためらしいのよ。

あの子の仲良しが、そう、言ってた。

それで、大事な子をなくしたらしいの。
それからは、
全てにおいて冷酷の上、
冷淡で恐れられてるの。
そんな子じゃなかったのに。」
と、悲しく辛そうに言った

「なんか、複雑ですね。
でも、翔君には、心咲さんいるから
大丈夫ですよ。」
と、話した。

心咲さんは、
「ありがとう。」
と、言って帰った。
< 17 / 72 >

この作品をシェア

pagetop