忘 恋

翔を幼稚園に迎えに行くと
翔はまた、雫と楽しそうに話ながら
出てきた。

その姿が、微笑ましくて
クスっと、笑うと
翔は、びっくりした顔をしたが
雫は、睨んでいた。

雫は、
「じゃ、翔君、また明日ね。」
「はい、先生、また明日。」
と、言って、俺の手を握ってきた時
グラっと、俺の体が‥‥‥
「パパっ!!」
の、翔の声に雫が振り向き
「留衣?」と、体を支えた。
「熱い?かぜ?」
すると、翔君が
「朝から、ぐわい悪そうだったの。」と

私は、
「芹香!!芹香先生!!」と、呼ぶと
芹香が、出てきたから、
事情を話して、送って来ると話した。
芹香は、
「わかった、こっちは、任せて。」
私は、私の車に二人をのせて
翔君に家を聞いて、やっと着いた。

そこは、私の知っているマンションだった。
なぜ、まだ、ここに?
と、思うが‥‥‥
留衣を抱えて、翔君に着いてくるように
言って、留衣の部屋に。

翔君が
「先生、家を知ってるの?」
「えっ、あっ、心咲さんに、聞いたから。」
と、嘘を言った。

『嘘ついて、ごめんね』
と心の中で、謝りながら。

部屋に入り、留衣をベッドへ運び
着替えさせて寝かせた。
「翔君、体温計だして、パパのお熱測って」
と、言って、アイスノンをとり
頭につける。

翔君が
「はい。」と、体温計をくれたから
見ると‥‥‥
38度7分、高いな。
翔君と、お粥を作り
翔君も食べさせ
留衣にも‥‥‥

留衣は、
「雫、ごめんな。」
と、言った。
その声が、あの時と同じ留衣の声で
涙が溢れた。
< 21 / 72 >

この作品をシェア

pagetop