焦れ甘な恋が始まりました
「そう、ですね……」
ぽつり、と。
零した言葉は、自分に向けたものだった。
私が社長に抱く恋心は、社長の言う通り、ただの迷惑なモノに過ぎないだろう。
それは、そうだ。
社長からすれば、私はその他大勢の内の一社員に過ぎなくて。
そんな私から恋愛感情を向けられても、社長は困るに決まってる。
……そう、そうに決まってる。
もしかしたら、わかりやすい私の反応を見て、社長はとうとう、私の気持ちにハッキリと気付いてしまったのかもしれない。
気付いてしまったからこそ、今、社長は私との距離を図りかねて、困惑しているのかも。
遠回しに私へ、“ 諦めてほしい ” と言っているのかもしれない。