焦れ甘な恋が始まりました
言いながらペコリと頭を下げれば、社長は驚いた表情で固まっていた。
だけどすぐ、いつものように、フッ……と柔らかな笑顔を零すと、ゆっくりと私の頬に手を伸ばし、冷たい指先で私の頬に触れて心底安心したような声を出す。
「……良かった。せっかく日下部さんに触れる距離まで来れたのに、早速、ダメになるのかと思った」
「あ、あの……?」
「誰かに怒られたのとか、本当、久しぶり。
だけど全然嫌な気にならなかったし、寧ろガツン!とヤられた気分だった」
「……っ、」
「ホントに、ごめん。許してくれて、ありがとう」
「!?」
と。
突然、ゆっくりと社長の整った顔が近付いて来たかと思ったら――――不意に、頬に触れた唇。
「な、な……っ!?」
あまりに一瞬の出来事に、パニックになりながらも社長を見上げれば、甘い熱を瞳に滲ませた社長が私を真っ直ぐに見下ろしていて、それだけでも早鐘を打つように心臓が高鳴りだす。