14年目の永遠の誓い


聞かれて、何て答えようかと悩む。



いつもカナには大切にしてもらってばかり。

だから、カナに喜んでもらいたいのはわたしの切実な思いだった。

だから、絶対に喜ぶからと言われて、うっかりリボンを用意してしまったんだ。

ワインレッドのシフォンのリボンを。



……けど、なんで、わたし、そんな提案に乗っちゃったんだろう!?



その意味を思い出して、顔がポッと赤くなる。



「どうした? ハル、顔赤いよ。……熱は、ないよな?」



カナはコツンと額を合わせる。

けど、確認するまでもなく熱はない。

わたしが何と答えれば良いのか困っていると、カナは心配そうにわたしの顔を覗き込んだ。



「ハル、大丈夫? 気分悪い?」



カナの言葉に小さく横に首を振る。



「えっと……そうじゃなくて……ね、あの……プレゼントを……」



と、手に持った小箱を差し出すと、カナはリボンを手にしたままに受け取ってくれる。



「ありがとう! 開けても良い?」



頷くと、カナはわたしをベッドに座らせ、自分も隣に座ると、小箱にかかったリボンを解き箱を開けて中身を取り出した。



「あ、キーホルダー。……と鍵?」

「家の鍵なの。電子キーと普通の鍵と……」

「ありがとう! オレたち二人の新居だね」



抱き寄せられて、キスをされる。

そう言えば、とカナは小箱の横に置いたシフォンのリボンを手に取った。



「これは、しまっておけば良い?」

「……あ」



忘れてくれて良かったのにと、わたしはまた赤くなる。
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