甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
翌朝、約束どおり、葵さんが迎えに来てくれた。

「新幹線に乗るの、久しぶりだ。
修学旅行みたいで、ドキドキするよ」

「そ、そうですね」

私は上手く笑えてるかな?

「昨晩はちゃんと眠れた?
紅葉灯篭は、夜だからね。途中で寝るなよ」

「だ、大丈夫ですよ?」

「………」

「………」

黙り込む葵さん。

この妙な沈黙をどうしようか…

トン…

信号待ちで二人の足が止まる。

角の建物の壁に手をつく葵さん。

「なあ、都…なんかあった?」

私の顔をのぞき込む葵さん。
真っすぐに私を見つめる瞳が不安そうに揺らいでる。

(葵さん、隠し事してる?私と結婚するの嫌になった?)

声に出せない問いかけが浮かんでは消える。


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