甘い香りに誘われて【続編 Ⅲ 完結しました】
小さな声でつぶやいた葵さんは、ジャケットの内ポケットから、小さな箱を取り出した。

「コレ。注文してたの。開けてみて」

その箱を私に手渡す。

「……」

中から出てきたのは、

「綺麗…」

「婚約指輪。ずっと忙しくて用意できてなかったから。
昨日、都が見た女性は、その指輪のデザイナーさん」

「ご、ごめんなさい!」

うわぁーー!失敗した‼︎

「都に見られるかもしれない近所で受け取ってた俺も悪いけどさ…

ねえ、もしかして疑ったの?」

ジリッ…

距離を詰める葵さん。

「ごめんなさい!ごめんなさい!」

ジリッ…

「あーあー、傷付いたな…俺。
都のこと、すっごく好きなのに。

しかも、紅葉をバックにもう一度プロポーズしようと計画したのにさ…」

最後の方は、いじけた表情の葵さんだ。


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