腹黒王子に秘密を握られました
 

「そうなんですか?」

完璧な彼の短所なら、たくさん知ってる。
その短所が、ものすごく魅力的なことも。

そんなことを考えて、鈍感な私はようやく気づいた。

「……どうしよう」

「どうしたんですか、友野さん」

不思議そうに首を傾げた柴崎くんの問いかけには答えずに、食べかけの自分のお弁当を見下ろしたままもう一度つぶやいた。

「どうしよう」




どうしよう、どうしよう、どうしよう。

……私、金子が好きなのかもしれない。


会社の王子様のような優しい笑顔ではなく、私だけに見せてくれた、意地悪で怒りっぽい短所だらけのあの素の金子が、どうしようもなく、好きなのかもしれない。

この胸の痛みも、意味もなくあふれそうになる涙も、原因は全部金子なんだ。
金子のことが、好きで好きで、仕方ないんだ。



今更そんなことを自覚しても、もうどうしようもないのに。


 

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