腹黒王子に秘密を握られました
「金子さーん、今日一緒にご飯行きませんかァ?」
金子に話しかける相楽真子の楽しげな声に、私ははぁーっと大きくため息をつく。
少し前までよく見た光景だ。
私と恋人のフリをする前も、金子は毎週のように女の子たちに食事に誘われてたよなぁ。
私と別れたという噂が広がると同時に、また繰り返されるお誘い攻撃。
別れたばかりで傷心の金子は今がねらいどころだ、と言わんばかりに相楽さんはギラギラとした目で彼を見つめる。
彼女イケメン好きって言ってたもんね。
金子は超ドストライクだろうね。
「悪いけど、今日は予定があって」
王子様スマイルを浮かべ、優しく誘いを断る金子。
その言葉を聞いて、ほっとする身勝手な私がいる。
「用事ってなんですか?」
くいさがる相楽さんに、金子は少し困ったように視線を泳がせたあとで微笑んだ。
「彼女の家に行くんだ」
「えー!?」
金子の言葉に悲鳴が上がる。
私も思わず一緒に声をあげそうになった。
今、彼女って、言った?
「だって、金子さん、友野さんと別れたんですよね?」
「あぁ、別れたけど?」
「もう次の彼女できたんですか?」
責めるような問いかけに、金子は小さく笑って頷く。
その照れたような表情に、私は息を止めて目をそらした。